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end of biginnings

(2018)

written by S.hashimoto

​graphic design by TAKUMA

「ここにも落ちてる。あ。あそこにもあるな。」

 

背の高い広葉樹が立ち上がる靄の中枝葉を伸ばしている。夜が明けるのだろう。青白い空が広がる道を男は歩いている。

いや、男というのが正しいのか、その風貌はあまりにも黒く不格好だ。

茶色の革靴に茶色のトランク。足首まではある黒いロングコート。顔に影を落とす程のつばの広い黒いハット。

顔はというと人ではないような、そう、それはまるで鳥のような。

 

ハットの陰から覗く二つの黒い丸は、まるで開ききった瞳孔のようだ。

何かを隠すような目も鼻も口もすべてを覆うくちばしのようなマスクをしている。

そのくちばしの男は、鳥が地面にある餌を探すかのように一心不乱に何かを拾い集めてはトランクに大事そうに入れている。

「こんなにたくさん集まった。でも、部品が足りない。あれもこれも。」

と、くちばしの男は言うと、トランクの中から拾ったそれを大事そうに一つ摘まみ、まだ明けきらない空にかざし、

少し悲しそうに見つめている。その手の中で鈍く光る機械部品。

​continue..